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カフェイン・L-テアニンは試験の集中に差が出る?論文で整理

公開 著者 そのサプ編集部

結論

複数の研究をまとめた論文では、飲んだ直後の短いテストで差が報告されたのはカフェインとL-テアニンだった。ただし測ったのは実験室の注意力や反応の速さで、試験の点数を比べた試験は見つかっていない。イチョウ葉は差が見られず、DHAは論文によって結果が分かれ、ブドウ糖は一部のテストだけで差が報告された。

差が出たのはテスト。
点数はまだ試されてないんだ

カフェイン・L-テアニンは試験の集中に差が出る?論文で整理のイメージ写真(原料・カプセルなど)
目次
  1. 試験当日の集中切れは、サプリで何とかなる?
  2. 候補の成分は、それぞれ何で差が出た?
  3. どのタイミングで飲んだ試験だったのか?
  4. 飲む前に気をつけることは?
  5. 結局、試験当日に何を確かめればいい?

試験当日の集中切れは、サプリで何とかなる?

編集部が複数の研究をまとめた論文で確かめた範囲では、飲んだ直後の短いテストで差が報告されたのはカフェインとL-テアニンだった。ただし、どちらも実験室の注意力や反応の速さのテストで、試験の点数を比べた試験は見つからなかった。

受験や資格試験の本番で、途中で集中が切れることに悩む人は多い。この記事では「集中」で名前の挙がるカフェイン・L-テアニン・DHA・イチョウ葉・ブドウ糖を取り上げ、それぞれ何を測った研究なのかを整理した。対象は健康な人の試験で、20歳以下を含む研究もある[1]。

メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて分析する研究である。プラセボとは、見た目が同じで成分を含まない「ニセの粒」である。今回取り上げた論文はいずれもメタ解析だ。

候補の成分は、それぞれ何で差が出た?

差が報告されたのはカフェインとL-テアニンで、イチョウ葉は差が見られず、DHAは論文によって結果が分かれた。ブドウ糖は一部のテストだけで差が報告され、根拠は限られている。

カフェインは、健康な大人の31試験・1,455人をまとめた論文で、プラセボと比べて注意力テストの正確さと反応の速さに差が見られた[2]。200mg以上の量では差が大きかったと報告されている[2]。20歳以下の14研究・250人をまとめた論文でも、小さな差が報告された[1]。

L-テアニンとは、お茶に含まれる成分である。31試験・1,168人をまとめた論文では、200mgを1回、テストの前に飲んだ試験で、選んで答える速さに差が見られた[3]。テストは飲んでから最大60分後までに行われた[3]。

お茶や、L-テアニンとカフェインの組み合わせを調べたレビューでは、小〜中程度の差が報告された。一方で、結果のばらつきを示す幅は広かった[4]。

イチョウ葉は、健康な人の記憶(13試験・1,132人)、実行機能(7試験・534人)、注意(8試験・910人)のいずれでも差は見られなかった[5]。

DHAは、記憶の訴えがある大人でエピソード記憶に差が見られ、1日1g超のDHA/EPAでは訴えの有無によらず差が見られたとするまとめがある[6]。一方、健康な人とADHDの人などの24研究をまとめた論文では、認知機能のどの項目でも差は見られなかった[7]。後者はDHA単独ではなく、オメガ3全体のレビューである。

ブドウ糖・砂糖は、健康な人の37試験をまとめた論文で、聞いた単語をすぐ思い出すテストにだけ差が報告された[8]。選び方に偏りの恐れが高いと評価された試験も多い。

  • カフェイン

    根拠
    健康な大人の31試験・1,455人で、注意力テストの正確さと速さに差
    用量
    200mg以上で差が大きかった
    注意
    持病・服薬がある人は量を医師・薬剤師に相談
  • L-テアニン

    根拠
    31試験・1,168人で、選んで答える速さに差
    用量
    200mgを1回、テストの前
    注意
    著者の1人がサプリ販売会社の設立を開示
  • イチョウ葉

    根拠
    健康な人の記憶・実行機能・注意で差は見られなかった
    注意
    名前をよく聞くことと根拠は別
  • DHA・オメガ3

    根拠
    まとめた論文によって結果が分かれた
    用量
    1日1g超で差とする報告がある
    注意
    著者の一部がDHA原料企業と関係
  • ブドウ糖

    根拠
    37試験のうち、単語をすぐ思い出すテストだけに差
    注意
    偏りの恐れが高い試験が多い

どのタイミングで飲んだ試験だったのか?

原稿で確認できたのは、主に「テストの前に1回飲む」使い方で、試験本番の点数まで追った使い方はなかった。表には原稿で確認できた使い方だけを書き、記載がないものは「原稿では扱っていない」とした。

日々の積み重ねテストの前試験本番(点数)
カフェイン 原稿では扱っていない飲んだ直後のテストで差―
L-テアニン 原稿では扱っていない200mgを1回、テスト前―
DHA・オメガ3 1日1g超で記憶に差の報告原稿では扱っていない―
イチョウ葉 原稿では扱っていない原稿では扱っていない―
ブドウ糖 原稿では扱っていない原稿では扱っていない―
原稿で試された使い方(時期が原稿に無いものは「原稿では扱っていない」)

くじ引きで分けた試験(ランダム化比較試験)とは、参加者をくじ引きで飲む群と飲まない群に分けて比べる試験である。編集部が2026年10月30日にPubMedで試験の点数を調べた研究を検索したところ18件が見つかったが、いずれかの成分を飲んで点数を比べた、くじ引きで分けた試験は0件だった(原稿の検索記録)。医中誌など日本語の文献は検索していない。

原稿で試された使い方(時期が原稿に無いものは「原稿では扱っていない」)
時刻帯カフェインL-テアニンDHA・オメガ3イチョウ葉ブドウ糖
日々の積み重ね原稿では扱っていない原稿では扱っていない1日1g超で記憶に差の報告原稿では扱っていない原稿では扱っていない
テストの前飲んだ直後のテストで差200mgを1回、テスト前原稿では扱っていない原稿では扱っていない原稿では扱っていない
試験本番(点数)試されていない試されていない試されていない試されていない試されていない

飲む前に気をつけることは?

差が見られた成分でも、測ったのは実験室の短いテストで、試験の点数が上がるかは試されていない。カフェインは200mg以上で差が大きかったと報告されているが、量を増やすことを勧める結果ではない[2]。

カフェインはサプリでなく、コーヒーやお茶でも摂れる。サプリと飲み物を重ねたときの量は、自分で把握しておく必要がある。

L-テアニンの論文では、著者の1人がサプリ販売会社の設立を開示している[3]。お茶のレビューでは著者2名が茶飲料企業に所属し、含まれる試験の資金源は企業が最も多かった[4]。DHAの論文でも、著者の一部がDHA原料企業と関係している。

持病や服薬がある人は、カフェインなどの量を自己判断で決めないでほしい。体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

ここは
見落としがち…

結局、試験当日に何を確かめればいい?

飲んだ直後のテストで差が報告されたのはカフェインとL-テアニンで、試験の点数はどの成分でも試されていない。選ぶ前に、次の点が確かめる材料になる。

「集中」をうたう商品が、試験の点数で試されたのかを見る。成分ごとに、何を測った研究なのかを出典で確かめる。

カフェインはコーヒーやお茶でも摂れることを知っておく。体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

よくある質問

本番の朝、
何か飲む?

コーヒーのカフェインとサプリのカフェインは違う?

原稿で扱った論文は、サプリと飲み物を比べたものではない。カフェインはサプリでなく、コーヒーやお茶でも摂れる成分である。どちらの場合も、摂る量の合計を把握しておくことが判断の材料になる。

L-テアニンは、テストのどれくらい前に飲んだ試験?

差が見られたのは、200mgを1回、テストの前に飲んだ試験である[3]。テストは飲んでから最大60分後までに行われた[3]。試験の点数で比べた試験は見つかっていない。

高校生など20歳以下でも差は出た?

20歳以下の14研究・250人をまとめた論文では、カフェインで小さな差が報告された[1]。ただし測ったのは認知テストで、試験の点数ではない。体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

ラムネなど甘い物を食べると頭が回る?

ブドウ糖・砂糖の37試験をまとめた論文では、聞いた単語をすぐ思い出すテストでだけ差が報告された[8]。選び方に偏りの恐れが高いと評価された試験も多く、根拠は限られている。

DHAは試験の前から続けると違う?

DHAは、記憶の訴えがある大人で差が見られたまとめと[6]、どの項目でも差が見られなかったまとめがあり[7]、結果が分かれている。試験の点数で比べた試験は見つかっていない。

出典

原著も
見てみようかな

論文(DOI)

  1. Niu J, et al. Acute caffeine intervention and cognitive performance in populations aged 20 years and younger: a systematic review and meta-analysis. Front Nutr. 2026;13:1888658. doi:10.3389/fnut.2026.1888658
  2. Kløve K, Petersen A. A systematic review and meta-analysis of the acute effect of caffeine on attention. Psychopharmacology (Berl). 2025;242(9):1909-1930. doi:10.1007/s00213-025-06775-1
  3. Gerolymos C, et al. Cognitive and affective effects of L-Theanine: a systematic review and meta-analysis of 31 randomized trials. Mol Psychiatry. 2026;31(11):6592-6602. doi:10.1038/s41380-026-03727-9
  4. Payne ER, et al. Effects of Tea (Camellia sinensis) or its Bioactive Compounds l-Theanine or l-Theanine plus Caffeine on Cognition, Sleep, and Mood in Healthy Participants: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutr Rev. 2025;83(10):1873-1891. doi:10.1093/nutrit/nuaf054
  5. Laws KR, et al. Is Ginkgo biloba a cognitive enhancer in healthy individuals? A meta-analysis. Hum Psychopharmacol. 2012;27(6):527-533. doi:10.1002/hup.2259
  6. Yurko-Mauro K, et al. Docosahexaenoic acid and adult memory: a systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2015;10(3):e0120391. doi:10.1371/journal.pone.0120391
  7. Cooper RE, et al. Omega-3 polyunsaturated fatty acid supplementation and cognition: A systematic review and meta-analysis. J Psychopharmacol. 2015;29(7):753-763. doi:10.1177/0269881115587958
  8. García CR, et al. Effect of glucose and sucrose on cognition in healthy humans: a systematic review and meta-analysis of interventional studies. Nutr Rev. 2021;79(2):171-187. doi:10.1093/nutrit/nuaa036

注記

  • カフェイン:健康な大人の31試験・1,455人。ニセの粒(プラセボ)と比べ、注意力テストの正確さ(g=0.27)と反応時間(g=0.28)に差が見られた。200mg以上で差が大きかった(Kløve 2025)。20歳以下の14研究・250人でも小さな差(SMD 0.41、95%信頼区間 0.28〜0.55。Niu 2026)。
  • L-テアニン:31試験・1,168人。200mgを1回、テストの30〜60分前に飲んだ試験で、選んで答える速さ(choice reaction time)に差が見られた(SMD 0.51)。特定の助成はなし。著者の1人はサプリ販売会社の設立を開示(Gerolymos 2026)。お茶・L-テアニン+カフェインのレビューでは、組み合わせで小〜中程度の差が報告され、信頼区間は広い。含まれる試験の資金源は企業が最多で、著者2名は茶飲料企業に所属(Payne 2025)。
  • イチョウ葉:健康な人で、記憶(13試験・1,132人、d=-0.04、95%信頼区間 -0.17〜0.07)・実行機能(7試験・534人)・注意(8試験・910人)のいずれも差は見られなかった(Laws 2012)。
  • DHA:記憶の訴えがある大人ではエピソード記憶に差が見られた(P<.004)、1日1g超のDHA/EPAでは記憶の訴えの有無によらず差が見られた(Yurko-Mauro 2015。著者の一部はDHA原料企業と関係)。健康な人とADHDの人などの24研究では、認知機能のどの項目でも差は見られなかった(Cooper 2015)。Cooper 2015 は DHA 単独ではなくオメガ3全体のレビュー。
  • ブドウ糖・砂糖:37試験(ブドウ糖35・砂糖3)。メタ解析では、平行群の試験で単語の即時再生だけに差(SMD 0.61、95%信頼区間 0.20〜1.02)。24試験は選び方に偏りの恐れが高いと評価(García 2021)。
  • 「点数は測られていない」=PubMed 検索(2026年10月30日):(caffeine OR theanine OR docosahexaenoic OR DHA OR glucose OR ginkgo) AND (exam[tiab] OR examination[tiab] OR "academic performance"[tiab] OR "test performance"[tiab]) AND student*[tiab] AND (randomized[tiab] OR meta-analysis[pt] OR randomized controlled trial[pt]) で18件。5成分のいずれかを飲んで試験の点数を比べた、くじ引きで分けた試験は0件。医中誌など日本語の文献は未検索。

本文の [1] [2] は上の番号の論文です。原著照合日:2026年10月30日。数値は原著・公表資料と照合したものだけを載せています(照合の手順)。

公的機関の資料

この記事の図解版は Instagram(そのサプ) にあります。