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メラトニンと夜勤明けの睡眠|日本で買えるサプリの根拠は?

公開 著者 そのサプ編集部

結論

交代勤務の人を対象にした試験で、夜勤明けの昼の睡眠に差が報告されている成分はメラトニンだけだ。メラトニンを飲んだ人は昼の睡眠が平均約24分長かった(7試験・263人)[1]。ただしメラトニンは日本では医薬品の成分で、サプリ(食品)としては売られていない。日本で買える睡眠系の成分は、夜勤の人を対象にした本格的な試験が見つからなかった。

買えるサプリは、
夜勤では試されてないんだ

メラトニンと夜勤明けの睡眠|日本で買えるサプリの根拠は?のイメージ写真(原料・カプセルなど)
目次
  1. 夜勤明けに眠れないとき、サプリで何とかなる?
  2. 夜勤明けの睡眠で、どの成分が試されている?
  3. 勤務前・勤務中・勤務明け、いつ何が試された?
  4. 夜勤の睡眠とサプリで、気をつけることは?
  5. 夜勤明けの睡眠について、私たちが確かめられることは?

夜勤明けに眠れないとき、サプリで何とかなる?

編集部が交代勤務の人を対象にした試験を確かめたところ、夜勤明けの昼の睡眠で差が報告されている成分はメラトニンだけだった。そのメラトニンは、日本では医薬品の成分で、サプリ(食品)としては売られていない。日本で買える睡眠系の成分は、夜勤明けを対象にした本格的な試験が見つからなかった。

交代勤務とは、夜勤を含む時間帯で入れ替わりながら働く勤務の形である。夜勤明けの人は、周りが明るく活動している昼の時間に眠ることになる。この記事では、交代勤務の人を対象にした試験だけを材料に、サプリで何が確かめられているかを整理した。

材料にしたのは、コクランの系統的レビューと厚生労働省の公表資料である。系統的レビューとは、決められた方法で関連する研究を集め、結果をまとめて評価する研究である。

夜勤明けの睡眠で、どの成分が試されている?

夜勤明けの昼の睡眠で差が報告されているのはメラトニンである。メラトニンとは、体の中でも作られている物質で、日本では医薬品の成分として扱われている。

交代勤務の人を対象にしたレビューでは、メラトニンを飲んだ人は、プラセボを飲んだ人と比べて昼の睡眠が平均約24分長かった(7試験・263人)[1]。プラセボとは、見た目は同じだが有効成分を含まない「ニセの粒」である。ただし、この結果の根拠の質は低いと評価されている。

同じレビューで、睡眠薬のゾピクロンは1試験で差は見られなかった[1]。医薬品であっても、夜勤明けの昼の睡眠で差が示されているとは限らない。

GABA・L-テアニン・グリシン・バレリアン・カモミール・マグネシウム・ネムノキといった日本で買える睡眠系の成分は、夜勤明けでは試されていない。編集部は2026年10月30日にPubMedで、夜勤・交代勤務とこれらの成分と睡眠を組み合わせて検索したが、夜勤・交代勤務の人をくじ引きで分けた試験は見つからなかった。PubMedとは、医学の論文を探すためのデータベースである。医中誌など日本語の文献は検索していない。

ランダム化比較試験とは、参加者をくじ引きのように偶然で群に分け、飲む群と飲まない群を比べる試験である。これらの成分の一般的な根拠は、睡眠サプリのTier表で成分ごとに確かめられる。

勤務中の眠気については、カフェインの試験がある。時差ぼけや交代勤務の人を対象にした13試験をまとめたレビューがあり、模擬の条件で若い参加者を集めた試験が中心だった[2]。

このレビューでは、作業ミス(2試験)や注意力などのテストで比べられ、差が報告されている[2]。一方で、けがを測った試験はなく、割付の隠し方や報告の選び方に偏りの恐れが高いと評価された。

試験では、カフェインのカプセルや、カフェイン入りのコーヒー(比べる側はカフェインレス)が使われた。夜勤の30分前に体重1kgあたり4mgを摂る方法も使われた[2]。

  • メラトニン

    根拠
    夜勤明けの昼の睡眠が平均約24分長かった(7試験・263人、根拠の質は低い)[1]
    注意
    日本では医薬品の成分で、サプリ(食品)としては売られていない
  • カフェイン

    根拠
    時差ぼけ・交代勤務の人の13試験で、作業ミスや注意力のテストに差が報告された[2]
    用量
    試験で使われた例:夜勤30分前に体重1kgあたり4mg[2]
    注意
    けがを測った試験はなく、偏りの恐れが高いと評価された
  • GABA・L-テアニン・グリシンなど

    根拠
    夜勤・交代勤務の人をくじ引きで分けた試験は見つからなかった(PubMed検索、2026年10月30日)
    注意
    「夜勤向け」の表示があっても、夜勤の人で試されたとは限らない

勤務前・勤務中・勤務明け、いつ何が試された?

試されているのは、勤務明けの昼の睡眠でのメラトニンと、勤務前から勤務中の眠気でのカフェインである。日本で買える睡眠系の成分は、どの時刻帯でも夜勤の人では試されていない。

勤務前勤務中勤務明け(昼に眠る前)
メラトニン ――昼の睡眠で試された(国内は医薬品)
カフェイン 夜勤の前に摂る方法が試された作業ミス・注意力で比べた―
GABA・L-テアニンなど ―――
交代勤務の人を対象にした試験で使われた時刻帯(原稿の範囲)

表は、原稿で扱った試験の範囲で整理したものだ。「試されていない」は差が無いという意味ではなく、交代勤務の人で確かめられていないという意味である。

交代勤務の人を対象にした試験で使われた時刻帯(原稿の範囲)
時刻帯メラトニンカフェインGABA・L-テアニンなど
勤務前試されていない夜勤の前に摂る方法が試された試されていない
勤務中試されていない作業ミス・注意力で比べた試されていない
勤務明け(昼に眠る前)昼の睡眠で試された(国内は医薬品)試されていない試されていない

夜勤の睡眠とサプリで、気をつけることは?

いちばん大きな注意点は、メラトニンが日本では医薬品の成分だということである。厚生労働省は、メラトニンを「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」に区分している。医薬品の成分を含む食品は、医薬品医療機器等法のもとで無承認無許可医薬品として扱われる。

メラトニンはサプリ(食品)としては売れない一方で、医師の処方で使う薬はある。

「夜勤向け」と書かれた商品でも、夜勤の人で試されたとは限らない。成分名を見て、交代勤務の人で試験があるかを確かめることが判断の材料になる。

カフェインは、コーヒー・お茶・錠剤のどれで摂っても同じ成分である。錠剤とコーヒーを合わせると摂る量が重なる点に気をつける必要がある。また、カフェインの試験は偏りの恐れが高いと評価されており、けがが減るかどうかは測られていない。

体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

メラトニンは日本では医薬品の成分で、サプリ(食品)としては売られていない。医薬品の成分を含む食品は、無承認無許可医薬品として扱われる。

ここは
見落としがち…

夜勤明けの睡眠について、私たちが確かめられることは?

夜勤明けの昼の睡眠で差が報告された成分はメラトニンだけで、日本では医薬品の成分である。日本で買える睡眠系の成分は、夜勤の人では試されていない。

確認の手がかりは、「夜勤向け」と書かれた商品が夜勤の人で試されたかを見ること、成分ごとの根拠を睡眠サプリのTier表で確かめること、カフェインはコーヒーなどでも摂れると知っておくことである。

体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

よくある質問

夜勤明け、
サプリに頼れる?

メラトニンのサプリは日本で買える?

日本ではメラトニンは医薬品の成分に区分されており、サプリ(食品)としては売られていない。医薬品の成分を含む食品は、無承認無許可医薬品として扱われる。医師の処方で使う薬はある。

GABAやL-テアニンは夜勤明けの睡眠で試されている?

編集部が2026年10月30日にPubMedで検索したところ、夜勤・交代勤務の人をくじ引きで分けた試験は見つからなかった。夜勤明けで差があるかどうかは確かめられていない。成分ごとの一般的な根拠は、睡眠サプリのTier表で確かめられる。

夜勤中の眠気とカフェインについて、何が分かっている?

時差ぼけや交代勤務の人を対象にした13試験のレビューで、作業ミスや注意力のテストに差が報告されている[2]。ただし、偏りの恐れが高いと評価され、けがを測った試験はない。

睡眠薬なら夜勤明けの昼に眠れる?

交代勤務の人を対象にしたレビューでは、睡眠薬のゾピクロンは1試験で差は見られなかった[1]。体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

コーヒーとカフェインの錠剤は違うもの?

どちらも同じカフェインという成分である。試験では、カフェインのカプセルやカフェイン入りのコーヒーが使われた[2]。両方を合わせると摂る量が重なる。

出典

原著も
見てみようかな

論文(DOI)

  1. Liira J, et al. Pharmacological interventions for sleepiness and sleep disturbances caused by shift work. Cochrane Database Syst Rev. 2014;(8):CD009776. doi:10.1002/14651858.CD009776.pub2
  2. Ker K, et al. Caffeine for the prevention of injuries and errors in shift workers. Cochrane Database Syst Rev. 2010;(5):CD008508. doi:10.1002/14651858.CD008508

本文の [1] [2] は上の番号の論文です。原著照合日:2026年10月30日。数値は原著・公表資料と照合したものだけを載せています(照合の手順)。

公的機関の資料

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