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二日酔いサプリの根拠は?ウコン・オルニチンの試験を確認

公開 著者 そのサプ編集部

結論

二日酔いの試験をまとめた研究2本は、どちらも根拠は弱いと結論しており、二日酔いではっきり差が出た成分はまだない[1][2]。日本で定番のウコンは、二日酔いの症状で比べたくじ引きの試験が見つからなかった。オルニチンは、顔が赤くなる体質の人で翌朝のだるさを比べた小さな試験が1本あるだけである[3]。

確かな成分は
まだないんだ

二日酔いサプリの根拠は?ウコン・オルニチンの試験を確認のイメージ写真(原料・カプセルなど)
目次
  1. 二日酔いは、サプリで何とかなる?
  2. 二日酔いの試験をまとめた研究は、何を見つけた?
  3. 日本で定番のウコンとオルニチンは、二日酔いで試されている?
  4. いつ飲むかまで試された使い方はある?
  5. 二日酔い対策で、注意することは?
  6. 結局、飲み会の前に何を確かめればいい?

二日酔いは、サプリで何とかなる?

編集部が確かめた範囲では、二日酔いではっきり差が出た成分は、まだ見つかっていない。二日酔いの試験をまとめた研究2本が、どちらも根拠は弱いと結論しているためだ[1][2]。

飲み会の翌朝、頭が重い、体がだるいという悩みはよく聞く。この記事では、健康な大人がお酒を飲んだ後に、くじ引きで分けて比べた試験を材料にした。日本の二日酔い商品で定番のウコンとオルニチンについても、試験の数を確かめた。

システマティックレビューとは、決まった手順で関係する研究を集め、まとめて評価する研究である。ランダム化比較試験とは、参加者をくじ引きで分けて比べる、本格的な試験である。

二日酔いの試験をまとめた研究は、何を見つけた?

2本のまとめは、どちらも二日酔いに対して説得力のある根拠は見つからなかったと結論した。2005年のまとめは、関係しそうな試験15件のうち7件を基準外とし、残るランダム化比較試験8件・8種類を評価した[1]。差が報告されたのは、薬のトルフェナム酸、ボリジのγ-リノレン酸、酵母の製剤だったが、結論は「説得力のある根拠はない」だった。

2022年のまとめは、健康な大人を対象に、プラセボと比べた21試験・386人を調べた[2]。プラセボとは、見た目が同じ「ニセの粒」である。根拠の質は、すべて「とても低い」と評価された。

差が報告された成分には、クローブの抽出物、紅参(赤い高麗人参)、ケンポナシの果実の抽出物、L-システイン、韓国の梨ジュースがある。ただし、どれも試験は1本ずつで、同じものを2本以上で試した例はなかった[2]。そのため、結果を合算する解析は行えなかった。

日本で定番のウコンとオルニチンは、二日酔いで試されている?

ウコンは二日酔いの症状で比べたくじ引きの試験が見つからず、オルニチンは小さな試験が1本あるだけだった[3]。

日本の二日酔い商品を調べた研究では、多かった成分はクルクミン(ウコンの成分)が45.8%、L-オルニチンが29.2%、ビタミンCとビタミンB2が各20.8%だった[4]。著者は、売られている商品について、プラセボと比べた試験が必要だとしている。

PubMedとは、医学論文を検索できる米国のデータベースである。編集部は2026年11月1日にPubMedで検索し、ウコン(クルクミン)を飲んで二日酔いの症状を比べたくじ引きの試験は0件だった。医中誌など日本語の文献は検索していない。

オルニチンの試験は、顔が赤くなる体質(フラッシャー)の健康な日本人を対象にした交差試験である。交差試験とは、同じ人が順番を変えて両方を試し、その順番をくじ引きで決める試験である。11人と16人の2つの実験で、飲酒後にL-オルニチン400mgかプラセボを飲み、翌朝の「疲れた感じ」などの自己評価に差が見られた[3]。

  • ウコン(クルクミン)

    根拠
    二日酔いの症状で比べたくじ引きの試験は0件(PubMed検索、2026年11月1日)
    注意
    日本語の文献は検索していない
  • L-オルニチン

    根拠
    顔が赤くなる体質の人で小さな交差試験が1本(11人・16人)
    用量
    400mg(試験で飲酒後に使われた量)
    注意
    アルコールの分解の速さには差は見られなかった
  • クローブ・紅参・ケンポナシ・L-システイン・梨ジュース

    根拠
    2022年のまとめで差が報告された。試験はどれも1本
    注意
    根拠の質は「とても低い」と評価された

いつ飲むかまで試された使い方はある?

タイミングまで分かる使い方は、オルニチンを飲酒後に飲んだ1本の試験だけである[3]。

飲酒前飲酒中飲酒後翌朝
ウコン(クルクミン) ――――
オルニチン ――400mg(プラセボと比較)―
二日酔いで試された使い方(原稿で扱った試験の範囲)

下の表は、原稿で扱った試験で試された使い方を、時刻帯ごとに並べたものだ。2022年のまとめで差が報告された成分の飲み方は原稿では扱っていないため、原著を参照してほしい。

二日酔いで試された使い方(原稿で扱った試験の範囲)
時刻帯ウコン(クルクミン)オルニチン
飲酒前試されていない試されていない
飲酒中試されていない試されていない
飲酒後試されていない400mg(プラセボと比較)
翌朝試されていない試されていない(評価の時点)

二日酔い対策で、注意することは?

注意する点は、差が報告された成分でも、アルコールそのものを早く減らす働きが示されたわけではないことだ。オルニチンの試験では、アルコールの分解の速さに差は見られなかった[3]。

2022年のまとめで差が報告されたもののうち、トルフェナム酸とピリチノールは薬である[2]。サプリとは別のものとして扱う必要がある。

2005年のまとめは、二日酔いを避けるいちばん確かな方法を、飲まないか控えめにすることだと書いている[1]。

体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

「二日酔いに」をうたう商品でも、その商品で二日酔いの試験が行われたとは限らない。サプリを飲むことを理由に、お酒の量を増やさないようにする。

ここは
見落としがち…

結局、飲み会の前に何を確かめればいい?

サプリを選ぶ前に、試験の有無を確かめることが判断の材料になる。まず、「二日酔いに」をうたう商品が、二日酔いの試験で確かめられたかを見る。次に、成分ごとに試験が何本あるかを出典で確かめる。

そして、飲み会の前に飲む量を決めておく。まとめた研究が書いたいちばん確かな避け方は、サプリではなく飲む量を控えることだった[1]。

体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。

よくある質問

飲み会の翌朝、
何か飲む?

ウコンは飲む前と飲んだ後、どちらがいい?

原稿で扱った範囲では、どちらのタイミングも二日酔いの試験で比べられていない。編集部のPubMed検索(2026年11月1日)では、ウコン(クルクミン)を飲んで二日酔いの症状を比べたくじ引きの試験は0件だった。日本語の文献は検索していない。

オルニチンでアルコールは早く分解される?

小さな交差試験1本では、アルコールの分解の速さに差は見られなかった[3]。差が見られたのは、翌朝の「疲れた感じ」などの自己評価である。対象は、顔が赤くなる体質の健康な日本人だった。

しじみのサプリは二日酔いで試されている?

編集部はPubMed検索(2026年11月1日)で、ウコン・オルニチンとあわせて、しじみ(Corbicula)も検索語に含めた。見つかった2件は市場調査1件と成分分析1件で、ヒトの試験は0件だった。日本語の文献は検索していない。

ビタミンCやビタミンB2は二日酔いに関係がある?

日本の二日酔い商品では、ビタミンCとビタミンB2が各20.8%の商品に入っていた[4]。二日酔いの試験での結果は、原稿では扱っていない。著者は、売られている商品をプラセボと比べた試験が必要だとしている。

二日酔いを避けるいちばん確かな方法は?

2005年のまとめは、飲まないか、控えめにすることだと書いている[1]。サプリではっきり差が示された成分はまだないため、飲み会の前に飲む量を決めておくことが判断の材料になる。

出典

原著も
見てみようかな

論文(DOI)

  1. Pittler MH, Verster JC, Ernst E. Interventions for preventing or treating alcohol hangover: systematic review of randomised controlled trials. BMJ. 2005;331(7531):1515-1518. doi:10.1136/bmj.331.7531.1515
  2. Roberts E, Smith R, Hotopf M, Drummond C. The efficacy and tolerability of pharmacologically active interventions for alcohol-induced hangover symptomatology: a systematic review of the evidence from randomised placebo-controlled trials. Addiction. 2022;117(8):2157-2167. doi:10.1111/add.15786
  3. Kokubo T, Ikeshima E, Kirisako T, Miura Y, Horiuchi M, Tsuda A. A randomized, double-masked, placebo-controlled crossover trial on the effects of L-ornithine on salivary cortisol and feelings of fatigue of flushers the morning after alcohol consumption. Biopsychosoc Med. 2013;7(1):6. doi:10.1186/1751-0759-7-6
  4. Zijlstra MN, Schulz SE, Išerić E, Barré Q, Scholey A, Verster JC. A comparison of the United Kingdom, Australian and Japanese hangover product market. Drug Alcohol Rev. 2025;44(4):1278-1284. doi:10.1111/dar.14030

注記

  • 2005年のまとめ:二日酔いの予防・対処を調べた、関係しそうな試験が15件見つかり、うち7件は採用の基準を満たさなかった。残る、くじ引きで分けた試験(ランダム化比較試験)8件・8種類(プロプラノロール、トロピセトロン、トルフェナム酸、果糖・ブドウ糖、ボリジ、アーティチョーク、ウチワサボテン、酵母の製剤)を評価。全体または個別の症状で差が報告されたのは、トルフェナム酸、ボリジのγ-リノレン酸、酵母の製剤だけ。結論は「説得力のある根拠はない」「二日酔いを避けるいちばん確かな方法は、飲まないか控えめにすること」(Pittler 2005)。
  • 2022年のまとめ:健康な大人を対象に、見た目が同じ「ニセの粒」(プラセボ)と比べた21試験・386人。同じものを試した試験が2本以上なく、結果を合算する解析はできなかった。差が報告されたのは、クローブの抽出物、トルフェナム酸、ピリチノール、紅参(赤い高麗人参)、韓国の梨ジュース、ケンポナシの果実の抽出物、L-システイン。根拠の質(GRADE)はすべて「とても低い」(Roberts 2022)。トルフェナム酸とピリチノールは薬のため、スライドの一覧から除いた。
  • 日本の二日酔い商品:Amazonで売られていた日本の二日酔い商品24品で多かった成分は、クルクミン(45.8%)、L-オルニチン(29.2%)、ビタミンC・ビタミンB2(各20.8%)。著者は、売られている商品の効き目と安全性を確かめる、ニセの粒と比べた試験が必要だとしている(Zijlstra 2025)。
  • オルニチン:顔が赤くなる体質(フラッシャー)の健康な日本人で、くじ引きで順番を分けた交差試験(11人と16人の2つの実験)。飲酒後にL-オルニチン400mgかニセの粒を飲み、翌朝の「疲れた感じ」などの自己評価に差が見られた。アルコールの分解の速さには差は見られなかった(Kokubo 2013)。
  • 「ウコンは試されていない」=PubMed 検索(2026年11月1日):hangover[tiab] AND (curcumin[tiab] OR turmeric[tiab] OR curcuma[tiab] OR ornithine[tiab] OR clam[tiab] OR Corbicula[tiab]) で2件(市場調査1件・成分分析1件。ヒトの試験は0件)。(curcumin OR turmeric OR ornithine)[tiab] AND (hangover OR veisalgia OR "alcohol-related symptoms" OR ((alcohol OR ethanol) AND symptom*))[tiab] AND (randomized OR randomised[tiab] OR randomized controlled trial[pt]) で2件(オルニチンの試験1件・無関係の総説1件)。ウコン(クルクミン)を飲んで二日酔いの症状を比べた、くじ引きの試験は0件。医中誌など日本語の文献は未検索。

本文の [1] [2] は上の番号の論文です。原著照合日:2026年11月1日。数値は原著・公表資料と照合したものだけを載せています(照合の手順)。

公的機関の資料

この記事の図解版は Instagram(そのサプ) にあります。